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消防士の現状と将来性
ここではひとつの職業や職場という観点から見た、消防士の現状と将来性について説明致します。
消防組織の現状
平成25年4月1日現在、全国には770の消防本部があり、1700の消防署が設置されています。消防職員は16万392人で増加傾向にあり、うち女性職員は4124人です。
消防職員の活動状況
平成24年中の全国の消防職員(消防団員含む)の出動状況を見ると、その出動回数は106万8127回で1日平均2926回、29.5秒に1回の割合で出動したことになります。
当番の消防士の一日の勤務内容
消防署ごとに違いますが、以下にその一例を示します。
勤務は8:30の大交替から始まります。大交替とは人員を確認、資機材の点検を行なって前日の当番員から任務の引き継ぎを行うこと。その後で指令を聞き、資機材の作動確認の意味も含んだ軽い訓練が行なわれます。
続いて装備を着けて車に乗って出場する「出場訓練」が行なわれることもあります。9:30からは事務処理などを行います。各部ごとにミーティングを行なって総務(設備、運営、お金の管理など)、警防(災害関係)、予防(火災予防)などの担当事務を行います。
12:00からの昼休憩を経て午後13:00からは、いざというとき迅速に活動出来るよう、はしごやロープを使った様々な消防活動訓練を行ないます。またこれ以外にも空き時間を使って手仲間と体力トレーニングを行い、強靭な身体とチームワークを育みます。18:00からは日夕点検を実施。これは主に灯火類が正常に作動するかどうかを確認するものです。また、その際、資機材などの数が揃っているかどうかも調べます。
その後、18:30からは再びミーティングと事務処理。書類を確認したり、小・中・大隊長等から仕事に関することや心構えなどを指導されたりします。この後は夕食時間を経て、22:30からの仮眠前には掃除などの雑用をこなす場合も。翌日は6:00に起床、掃除やゴミ出しなどの雑用も行ないます。8:30には大交替で次の当番に業務を引き継ぎます。
消防士の給与と勤務体制
消防職員の平均給与額は平成24年4月1日現在、平均年齢39.8歳で30万9,417円、
一般行政職の場合は平均年齢が43.1歳で33万1,189円となっています。一般行政職に比べて消防職員の平均給料が低い理由のひとつには平均年齢の若さがあげられます。
また消防職員の勤務体制は毎日勤務と交代制勤務に大きく分けられ、交代勤務制は大きく2部制と3部制に分けられます。※一部、指令業務に従事する職員に対し、4部制を用いている消防本部もあります。
このうち2部制は二交代制のことで当直と非番、休日の繰り返しです。一方、3部制は三交代制で、例えばある週は「月・木・土」が24時間の当直勤務で次の日が非番、その後の2日間が休日となり、翌週は「火・金・日」が24時間の当直勤務で翌日が非番、そのあとに休日が2日間あって翌々週は「水」が24時間の当直勤務、次の日が非番、そのあとが休日というパターンを繰り返すもの。なお、当直は24時間勤務で次の日は当直明けの非番ですから純粋な休日ではありません。
消防士を取り巻く環境と職業としての将来性
最近、世界25ヶ国で行われた「信頼出来る職業と、そうでない職業」についての調査によれば、信頼に値すると多くの人が考えた職業のトップは消防士でした。
その仕事は高い身体能力や体力とともに強靭な精神力も必要とされ、決して楽なものではないでしょう。しかし、社会的に高い評価を受けている職業であることは間違いなく、公務員としての安定性も保障されています。また運営する自治体の規模にもよりますが、消防士長、消防司令長などの階級があって一定の経験を積み、昇進試験に合格すれば階級が上がっていく仕組みが整っています。そのため努力しだいで確実にキャリアアップを図れます。
どんな時代でも自然発生か人的発生かに関わらず災害や事故は起こります。加えて、昨今は都市部を中心に建築物の大規模化や用途の多様化が進み、同時にITの発達等によって人々を取り巻く環境やその生活様式も急速に変化しました。同時に特殊災害や化学災害の発生が増え、その内容の複雑多様化が進んでいます。これらを背景に消防行政は今後も整備・発展を続ける必要があり、消防士の需要は今後も継続してあるでしょう。
またこれらの状況に対応するために消防士には今、さらに豊富な知識と高い能力・技術が求められています。もし、日々の練習や学習によってそれらを身に着けることが出来れば、より高度な任務に携わることが出来るだけでなく、大きなやりがいを得ることにもつながるはずです。また、今日本の高い防災能力が全世界で求められており、国際的な舞台で活躍することも夢ではありません。