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消防の組織
火災や防災に取り組み、守ってくれているのは現場で働く消防士だけではありません。消防の組織を知り、どのように地域の安全を守っているのかを考えてみましょう。
消防組織法とは
市元々は警察組織の一部であった消防組織。
昭和22年に法律が改正されて以降、日本の消防は各市町村が管理・責任を負うことになりました。そのため、国として消防法による法律を除いてマニュアルはなく、各市町村が現場において行った方がいいとされるものをマニュアル化していきます。
なぜなら地域によって地盤や気候の関係から予防法が違うのは当たり前であり、最善策を考えるのがその街を守るということにも繋がるからです。
では国の一大事として大災害が起きてしまった場合はどうするのかというと、市町村の要求や要請によっては国からアドバイスを行い各市町村によって応援を送ることもあります。消防組織法というのは、いわば地域に住む個人によって作られていくということです。
消防本部
消防組織法において各自治体のトップに立つのが消防本部です。消防本部と称する自治体もありますが、東京都などにおける管理する場所が広い地域においては消防庁や消防局ともいわれます。
消防本部においての業務内容は火災や災害においての指導や予算管理を主としています。現場ではなく地域をまとめる役割を行っているのです。市町村によって消防局からホームページが作られ詳しい業務内容や防災・予防の管理講習も行っています。一度、ご自分が住んでいる消防本部のホームページを覗いてみるといいでしょう。各消防本部では民間の方が安心して暮らせるように目標と達成を行っています。これによりどのような活動を行っているのかが一目でわかります。
消防署
消防の組織において本部の次にあたるのが消防署です。
一般に地域の方にとっては消防署が一番身近にある消防組織でしょう。消防署では事務作業から現場作業まで幅広く活動しています。
火災において消火作業を行う消防士、事故や水難救助などを主とした救助隊、救急車を使った救助隊と3つに分かれており、24時間いついかなる状況でも現場に向かわなければいけません。その責任感のある雰囲気と仕事ぶりから「男の子がなりたい職業の上位」に入るのも頷けます。
消防団
消防団では一般的に日中は違う職業として働いている方が多く、非常勤として防災訓練や災害が起こった際の救助・訓練を行います。現在では地域によって違いますが「火の用心」と声を上げ防火を呼び起こしているのは、ほとんど地域による消防団で行われています。寒くなる季節や乾燥した地域では、この声を聞くことによって自然と防災にも繋がるのでしょう。
組織力を高めるために
消防における安全・安心というのは本部でどのような活動を行うのかを徹底し、現場で生かすということに尽きます。個々で動くのではなくチーム全体として捉えることで組織力が一段と高まるのです。
そのためには現場の消防士が日々厳しい訓練を行い、細かい作業を繰り返し身体に覚えさせ冷静な判断が出来るようにしています。
しかし組織力を高めるのは、消防本部や消防士・消防団だけではありません。災害や防災を守るためには一般の方に普段から意識してもらわなければならないので、各自治体で防災センターによる講習を行っています。その他にも消防署を一般公開し、小さな子供に消防車を身近に見て触れて日頃から防災意識を呼びかけているのです。現代ではプロとして働く消防士だけではなく消防本部を含め、一般の住民の方による取り組みが必要とされています。
組織の応援
消防の組織は各自治体によって成り立っているので基本的に市町村内で起きた火事や災害はその区域内で行われます。
しかし市外で災害が起きた場合、消防相互応援協定を各自治体が決めているので応援要請があればすぐさま駆けつけています。記憶に新しいのが東日本大震災での緊急消防援助隊による救助です。この緊急消防救援隊は2003年に消防組織法として新しく法律として決定されました。
こちらは義務化されておらず自分自身で登録するものであり、東日本大震災では約10万人の消防官が救助隊として活躍しました。普段は決まった組織の中での活動を行う消防士ですが、一致団結するという心が震災後にはますます大きくなったのではないでしょうか。
自主防災組織を知る
消防団は地域を守ってくれる強い味方ですが、もっと個人レベルで常日頃から防災に意識を向けていないといざ震災や災害が起きた時にパニック状態に陥ってしまいます。自分自身を守りながら地域の方を守るためにも、自主防災組織による任意団体に加入しておきましょう。
自主防災組織は名前の通り自分達で災害から守ることを意味しています。各市町村が結成している組織もありますが、自ら地域の方に声を掛け合い結成することも大事です。消防士や消防団ではなくても、日頃から地域の組織を作っておけばいざという時に頼りになるでしょう。