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警察キャリア組とノンキャリア組
警察官の身分には国家公務員と地方公務員に分かれています。このうち国家公務員を通称・キャリア組、地方公務員はノンキャリア組と呼ばれていて、最近の刑事ドラマでもよく耳にする機会があることと思います。
2014年現在、全国に警察官は約29万人いますが、このうち約500人のキャリア採用組がいて、それも警察全体からするとわずか2%という数字でしかありません。
ここではその違いについて、紹介していきましょう。
キャリア組
キャリア組は警察官僚を目指す人が国家公務員採用試験(擬錙砲鮗けて警察官になった人をいいます。
この場合は国家公務員採用試験に合格したうえ、更に各省庁の実施する面接選考に合格し、初めて採用内定を受ける仕組みとなっています。
二段階の採用試験を突破する必要があり、単に公務員試験合格だけでは採用を約束されたことになりません。省庁は公務員試験合格者を採用基準として、そこから適任者をピックアップしていきます。
擬錣世韻任覆脅錙塀爛ャリア)も同様で、試験合格者が希望官庁として警察庁を選択し、事後の面接試験を受け、最終的に合格者を選出しています。ドラマで時折、地方公務員の試験後に警察学校の訓練を受けてから、国家試験擬錣了邯海鮗け再び採用を受けてキャリアになった、という設定は現実的ではありません。かつてそのような道を歩んだ人は皆無です。
ノンキャリア組
警察官採用試験に合格すると採用決定になります。規則上は合格者を採用候補者名簿に登載し、順次採用していくことになっていますが、採用側の都合で採用をキャンセルした事例はこれまでありません。
地方公務員としての警察官採用は警視庁のみでも年間1,000名(大卒程度)は採用しています。
国家公務員としての警察官採用はキャリアでは15名程度、準キャリア組を含めても計50名に満たないので、圧倒的にノンキャリアの道を歩まれる方で警察官は構成されていると考えていいでしょう。
私たちにとって身近な警察官のほとんどがノンキャリア組なのです。キャリア組のほうが格好良く感じられるかもしれませんが、あくまでも警察組織の管理者という立場です。その仕事の大半はデスクワーク的な仕事が中心。現場の第一線で活躍するのはむしろノンキャリア組になります。ちなみに街でよく見かける白バイ隊員や事件捜査の裏方、鑑識官になれるのもノンキャリア組の警察官です。
キャリア組になる人とは
キャリア組の警察官は警察官僚とも呼ばれます。財務省や経済産業省、外務省といった他省庁ひしめく霞ヶ関を目指す人が占めます。あくまでも官僚として警察行政を切り回しながら、政策立案や立法に務めつつ全国都道府県警警察のマネージメントを行います。
ひと口に官僚といっても、目指す人の中で警察庁の人気はとても高いものがあります。大卒公務員試験のボトムとされる(地方)警察官採用試験と、国家公務員擬鏈陵兒邯海魯譽戰襪まったく違うように、エリート合格者が望む官庁のトップが「財務省」か「警察庁」といわるのも当然かもしれません。そんな人気が高い警察庁採用は、国家公務員総合職に上位で合格しなくては採用されないのはいうまでもありません。
キャリア組で成功するためには
ある年の警察庁キャリア組採用者の出身大学の内訳を見ると、採用者16人中、東京大学法学部が7人で京都大学法学部は4人と、圧倒的に東大出身者が多いことが分かるでしょう。といっても検察庁内には学閥は存在しません。ある刑事ドラマで地方国立大学卒だから、と揶揄され失笑されたキャリアが奮起する話がありましたが、これはあくまでもテレビドラマでのこと。現実はそんなレッテルを貼られることはありません。
では、何がキャリア組での勝者敗者を分けるのかといえば、それは先程も書きましたが出身大学ではなく国家公務員総合職試験の合格席次、つまり検察庁採用の席次で決まります。首席で入学した人は間違いなく、将来の警察庁長官、または警視総監候補として指導されていきます。つまり将来のビジョンは合格した瞬間にある程度見えてしまうのです。
いくら入庁後にマネージメント能力や実務能力を発揮していっても、入庁席次が低ければ検察庁では出世出来ない現実があります。
キャリア組での出世への道
キャリアは入庁した22歳の時点で警部補からスタートします。順当にいけば23歳で警部、26歳で警視、30歳以上で警視正に昇進するコースとなります。40歳以上では本庁に残れるか、早期退職の道を選ぶかどちらかが待っています。
キャリアは入庁後に警察大学校での研修を経て、検察庁本庁と東京の警視庁、各都道府県警察をローテーションで回ります。早ければ30代の若さで所轄署の署長を務める人もいます。このようにローテーションで回るためにキャリアの転勤や異動は非常に多く、全国各地での勤務は大体が1年、長くて2年という短いものです。あくまでも現場を知るための研修というものだからです。
キャリア組がするべき仕事の真髄は、霞が関にある警察庁本庁で官僚仕事をすること。警察を一般企業に例えるならば、本社採用の総合職がキャリアで、現場の警察官は地方で採用された技術職かもしれません。ちなみにそんなキャリアでも一人前になるには入庁して10年以上たった課長補佐になってから、ともいわれています。